2020年度
新卒社員座談会
出身も専攻も異なる仲間がエヌ・イー ケムキャットに同期として入社し、活躍しています。
沼津事業所に勤務する4名の社員に、入社動機や新人時代の思い出、現在の業務内容、そして未来への思いを語ってもらいました。
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山本 裕太
薬学研究科/薬科学専攻修了
生産本部 沼津事業所 製造部
貴金属精製課 -
永島 渉
工学院/エネルギー環境システム専攻修了
研究開発センター 自動車触媒開発部
基盤技術課 -
遠藤 利奈
理学院/化学系化学コース修了
研究開発センター 化学触媒開発部
沼津化学触媒課 -
田中 聖哉
理学研究科/物質分子系専攻修了
研究開発センター 自動車触媒開発部
ガソリン触媒課
※所属・仕事内容は取材当時のものです。
Questionエヌ・イー ケムキャットに入社した
決め手を教えてください。
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学生時代、私は薬学系の大学院に所属し、抗がん活性を持つ医薬品の合成を目指して、貴金属触媒を用いた有機反応開発に取り組みました。就職活動では業界を限定せず、広く製薬・化学業界を検討。学生の頃から当社製の触媒を使用していたこともあり、興味を持ってインターンシップや説明会に参加しました。入社の決め手は、社員の皆さんの人柄です。選考のプロセスで社員の皆さんと交流する機会が数多くあり、その度にやさしく、穏やかな雰囲気を感じていました。また、私の誕生日に内定をいただいたことも決め手の一つになっています。
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私は車やバイクが好きだったこともあり、エンジンに関係する研究室の博士課程まで進み、自動車用触媒の反応解析と数値解析モデルに関する研究を行ってきました。私が所属していた研究室は自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)と共同研究をしており、この活動を通じて当社のことを知りました。その後、リクルーターの先輩に話を聞き、学生時代の研究を生かせそうだと感じたことに加えて、選考を通して社員の方々の温かな人柄を感じたことから入社を決めました。
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私は学生時代、固体触媒として複合酸化物について研究しました。私も学生時代の研究を生かせる仕事を志望しており、気になる企業があったら積極的にインターンシップに参加していきました。数多くの企業の中から、最も自分に合うと思った会社がエヌ・イー ケムキャットです。山本さんや永島さんも話してくれたように、当社はやさしく人柄の良い先輩が多く、そこに魅力を感じました。インターンシップで先輩社員とお話した際、どの先輩も生き生きと仕事について語ってくれたのも印象的でした。
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大学時代、私は錯体分子を医薬品へ応用する研究に携わりました。実用化を目指した研究で、投与方法や人体への影響までを常に考えながら、研究を進めてきました。こうした大学での研究を生かす道もあったのですが、新しい分野へ飛び込み、独自の視点で研究開発をしてみたいと思い私は敢えて「学生時代の研究テーマとは異なる分野」を志望しました。また、職種も研究職に限らず顧客へのプレゼンから製品の量産化まで幅広い経験をしたかったので、規模の大き過ぎない企業を探しました。当社は両方の希望を満たしており、また、選考を通じて出会った先輩方の印象も良く、入社を決めました。親しみやすい方が多く、若手社員が自分の考えを伝えやすい環境だと思いました。
Question入社1年目は、
どのような業務を経験しましたか?
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研究職もしくは営業職を志望していたので、製造部配属と聞いて、とても驚いたのをよく覚えています。同時に、「今まで経験したことのない分野を仕事にするのも面白いかもしれない」とも思いました。入社後は、3か月に渡って製造現場で研修を受け、ドラム缶の運搬や使用済み触媒の焼成、貴金属の抽出反応、送液、還元反応など、現場での作業を一通り経験し、貴金属回収の各プロセスを学びました。その後、配属先で貴金属回収のプロセス改善を担当しました。1年目は部門の上司や先輩に指導いただくことが多く、プロセス改善も先輩に指導していただきながら取り組みました。
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私は、自動車触媒開発部の基盤技術課に配属になり、モデルベース開発(MBD)と触媒性能向上に向けた基礎研究の2テーマに携わりました。上司や先輩は、1年目の私の意見にも真摯に耳を傾けてくださり、当事者意識を持って業務を進められました。基礎研究においては、現行触媒のコンセプトと課題を整理し、課題解決に向けて様々な触媒を試作/評価して期待した触媒性能が得られるか検証を進めました。その際には上司や先輩が適宜サポートしてくださり、就活時に感じたとおり、人柄の良い先輩が多く、恵まれた環境で研究開発に携わることができています。
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1年目は配属先で2週間の座学研修を受けた後、OJT研修を受けました。実際に触媒を試作していきながら触媒の調製法を学んだり、会議に同席しながら社内ルールや社内用語を学んだり、社会人1年目は覚えることがとにかく多くて、あっという間に時間が過ぎていったように思います。また、「企業の研究職はデスクメインで実験する機会があまりないのかな」と思っていましたが、配属先の沼津化学触媒課は実験が主体です。そのため、学生時代とのギャップはあまりなく、比較的スムーズに職場に馴染むことができました。
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私は面接で「大学とは異なる分野の研究開発を経験したい」と伝えていたので、自動車用触媒を開発する今の部門に配属になり、うれしく思いました。1年目は配属先であるガソリン触媒課のメイン業務である「自動車用触媒の設計」を習得するため、先輩社員が担当する業務の一部を手伝うところから始めました。私が終えた業務を先輩にチェックしていただきアドバイスをもらうことで、自動車触媒の基礎知識や効率的な課題解決の方法を学んでいきました。その後は、顧客案件を担当するようになり、スケジュール管理や基礎検討はもちろん、顧客に提案する製品の設計なども自分で行うようになりました。とても密度の濃い1年間だったと感じています。
Question現在、担当している仕事について
お聞かせください。
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触媒に用いられる貴金属は非常に高価で、貴金属精製のプロセス改善によりコスト削減など大きな効果をもたらします。そこで、ロスの大きなプロセスや収率が悪いプロセス、リードタイムが長いプロセスなどを洗い出し、改善策を検討しています。まずはラボで検討し、改善の効果が見られたらスケールアップして実機で検討し、その後設備投資を行って新しいプロセスとして導入していきます。ラボで改善の糸口を見つけた時はもちろん、実機での試験も「ラボと同じような効果が出るだろうか」とワクワクした気持ちになります。改善の効果が「収率向上」や「ロス低減」といった数値になって表れるので、やりがいも大きいですね。
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触媒のモデリングをはじめとしたMBD業務や、触媒の性能向上を目的とした技術開発に取り組んでいます。触媒性能を底上げする技術を見つけ出すことが基盤技術課のミッションで、「ここまで」という決められたゴールはありません。また、一概に性能向上技術といってもその可能性は無数にあるため、さまざまなアプローチで解析を行っています。予想外の結果が出ることも多く、それが反応による化学的な現象によるものか、それとも触媒の形状など物理的な現象によるものか、もしくはそれ以外の要因が存在するのか、知識を総動員して現象を解釈し、そこから新しい技術を見つけ出すのは非常に楽しいですね。
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化学触媒は大きく分けて「粒状触媒」「粉末触媒」「錯体触媒」があり、私は粒状触媒の開発案件を担当しています。顧客が求める触媒性能を引き出すため、既存の調製方法をベースにしながら、原料や調整法を改良していき、触媒性能を引き出していきます。現在、7つの案件を任せていただいていますが、そのうちの一つは、すでにラボスケールの試作評価が済んでおり、量産を見据えた量産試作へと移行しています。量産試作の評価が良ければ、いよいよ製品登録をすることになります。自分がラボスケールの試作から担当していた触媒が量産に近づいていく様を見るのは、まるで自分の子どもが成長していく姿を見ているかのようで、とてもうれしく思います。
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私のメイン業務は自動車用触媒の設計です。顧客とのミーティングを通じて求められている触媒性能を把握し、要求を満たす触媒を設計します。自動車用触媒の場合、複数の触媒メーカーによる競合コンペにより、発注先が決まります。そのため、私の仕事はビジネスの獲得を左右する重要な仕事です。自動車用触媒は、一度の設計で望む性能が出ることはほとんどなく、試行錯誤しながら少しずつ、望む性能に近づけていきます。私はこの「設計通りの結果が出ないこと」に面白さを感じています。解析結果や評価結果を細かく確認していくと予想していなかった要因が見つかり、「今度こそ」という気持ちになります。
Question職場の雰囲気や沼津での生活について
教えてください。
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職場の上司や先輩は、仕事はもちろんプライベートの話もできるくらいに仲が良いですね。年上の先輩方ばかりなので、休み時間にジュースやお菓子をごちそうになることもよくあります。コロナ前は飲み会も多かったと聞いており、今はできないので残念なくらいです。休日は山登りをしたり、趣味のゴルフを楽しんだりしています。最近、バイクの免許を取ったので、ツーリングにもはまっています。一人暮らしですが、料理が好きなので、晩御飯も会社で食べるお弁当も自分で作っています。
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先輩や同期とはプライベートでも仲良くしていて、週末には共通の趣味を持つ仲間とランニングや登山を楽しんでいます。先日も愛鷹山(あしたかやま)に登ってきました。沼津事業所は自然豊かで、海も山も近く、アウトドア好きにはたまらない環境です。富士山や南アルプスも近いし、都心部へのアクセスも良いですね。ご飯も美味しいし、「プライベートを楽しむ」という意味でも非常に恵まれた環境だと思います。
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沼津化学触媒課は若手社員が半数を占めていることもあって、とても活気に満ちた雰囲気ですね。今、女性社員が私を含め二人のため、私たちが主体となって、すべての人が働きやすい環境になるよう設備やシステムの改善を進めています。同期の仲もとても良くて、先日も同期の誕生日のお祝いを兼ねて家でたこ焼きパーティを開いたばかりです。今はコロナ禍なので、密にならない程度に映画やゲームなどインドアの遊びを楽しんでいます。
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職場の雰囲気はとても明るく、常に職場のどこかでディスカッションが行われています。チームワークが良く、仲間と一緒に「どうすれば性能の良い触媒ができるか」を考える風土が根付いているのだと思います。気軽に声を掛け合えるので、私も上司や先輩とよくディスカッションをして、アイデアを共有しています。休日は、社会人になってから自動車に乗るようになり、最近は近場を探索がてら、ドライブを楽しんでいます。同期とは公私ともに仲良くしています。
Questionこれから先、エヌ・イー ケムキャットで
叶えたい目標は?
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目標は二つあります。一つ目は、最新の精製技術を取り入れて新しい貴金属精製のプロセスを構築し、同業他社に負けない競争力を有すること。もう一つは、貴金属の回収は危険な作業もあり、そのほとんどを人の手で行っているので、設備の自動化を進めて、より安全に効率よく作業ができる体制にすることです。どちらの目標も、すでに上司の指導のもとで取り組んでいます。長期的な目標ですが、必ず実現したいですね。
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排ガス規制の強化に伴い、自動車触媒の要求性能は年々高まっている中、どの触媒メーカーも高度な開発技術を有しており、非常に高いレベルで競い合っています。このような状況で、当社の存在感を示していくには、これまでとは違った目線をもって新しい技術を築いていくことが必要になると思います。もしかしたら、私が担当している数値解析が、そのきっかけなるかもしれません。いずれにしても、あらゆる触媒に応用できるような革新的な技術を生み出していけたらと思っています。
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まずは、自分が主担当の化学触媒を製品化したいですね。また、化学触媒は製品の種類が多く、製品ごとに製造のプロセスが異なり、その多くを人の力に頼っています。そこで今後は、自動化を想定した触媒の調製法を検討していくつもりです。より高品質な触媒を、より安全に効率よく作っていけるような生産性の高い調整法を提案していくことができたらうれしいです。
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ビジネスを獲得するためにも、競合他社を上回る性能をもつ自動車用触媒を設計していきたいと考えています。今は上司や先輩に助言をいただきながら設計に取り組むことが多いので、1日も早く自分のアイデアで触媒を設計できるようになりたいですね。ビジネスに関連したスキルも磨いていき、お客様へのプレゼンも自分で行えるようになれたらと願っています。