社員紹介 | 横川 和生
分析者は触媒開発のパートナー
よりよい触媒を生み出す一助となる
研究開発センター分析技術室つくば分室 マネージャー
横川 和生
Kazuo Yokokawa
2006年入社 理学研究科 / 化学専攻修了
※所属・仕事内容は取材当時のものです。
分析結果だけを伝えるのではなく
分析者としての見解も伝える
2006年に入社し、ディーゼル車向け自動車触媒の開発に携わった2年間を除いて、一貫して触媒の分析業務を担当してきました。社内の各部門からの依頼に応じて触媒分析を行うことが私の仕事ですが、依頼内容は多種多様です。お客様に評価いただいた触媒について詳しく分析することもありますし、触媒反応をさせた後の組成について分析することもあります。近年、注目を浴びている燃料電池用触媒に用いる貴金属量について分析する依頼も増えています。また、触媒そのものの分析ではなく、自動車の排ガスに含まれている成分分析をすることもあります。分析を行う上で心がけているのは、「分析結果に対する見解も伝えること」です。なぜなら、自動車触媒にしても、化学触媒にしても、そして燃料電池用触媒にしても、私たちが分析した結果は、その後の触媒の開発に生かされるものだからです。いわば、私たちは開発のパートナーであり、だからこそ、単に分析結果を報告するのではなく、分析結果からどのようなことが考えられるのかを伝えることが大切だと感じています。私自身、「私たちの見解が、その後の開発の成功につながれば」という思いを常に抱きながら、分析を進めています。
新たな分析手法を積極的に取り入れ
競合他社に優位性の
ある分析技術を磨いていく
現在、私が在籍するつくば分室は分析チームと物性チームに分かれており、私は分析チームに所属しています。物性チームでは電子顕微鏡などで触媒の状態を解析しており、今後は物性チームの機器についても、より深い知識を身につけていきたいと考えています。幸いなことに、当社は世界的な化学メーカーBASFのグループ会社であることから、BASFの分析手法を学ぶ機会があります。私も2020年1月に米国に出張し、自社とは異なるBASFの分析手法を学びました。実は2014年にも米国出張を経験していますが、当時よりも英語スキルが高まり、英語によるプレゼンテーションもスムーズに行うことができました。当社は教育・研修が非常に充実しており、英会話学校に通学する費用を負担してもらえる「英会話学校補給金制度」もあります。こうした制度を活用するなどして、引き続き英語力の向上に努め、海外の研究者たちとより深い議論ができるようになりたいですね。
かつて、私は学部時代に新規プラチナ錯体の構造解析を、大学院時代にはDNA 結合タンパク質の電子移動に関する研究を行ってきました。化学が好きで、何かしら化学に関わる仕事に携わりたいという思いで就職活動に取り組みましたが、当社は事業所見学や説明会、面接などで会った社員の人柄や雰囲気が非常に良く、この印象の良さが入社の決め手となりました。入社から現在までの道のりを振り返ってみると、当社が主軸事業である自動車用触媒や化学触媒に加えて、燃料電池用触媒や新規事業の創出にも力を入れてきたことに気づきます。分析業務を通じて、今後も環境浄化製品を世の中に提供し、持続可能な社会の実現に貢献していけたらと願っています。そのためにも、新たな分析手法の採用を検討したり、既設の分析機器を更新するなどして、自社の分析技術力をさらに向上させていくことが重要だと考えています。競合他社に対して競争優位性が得られるよう、引き続き、努力を重ねていくつもりです。
職歴・キャリア Career
入社
分析センター
市川分析室に配属
2年目
直属の後輩が入社
担当指導員に指名され、後輩と一緒に色々なことを学ぶ。
3年目
昇格
開発部門との定期MTGを行い依頼者とのコミュニケーションをとった。
4年目
沼津分析室に異動
5年目
6年目
つくば分析室に異動
1人でBCTL(タイ)へ出張、装置トラブルなどもあり滞在日数を1日延長して対応した。
7年目
昇格
自動車触媒分析グループのリーダーに、沼津分析室との情報共有などを行った。
8年目
9年目
BASF(HSV,US)へ出張
10年目
英語の聞き取りが十分にできず、英語力の向上が必要と実感。
11年目
昇格&ディーゼル触媒
開発課へ異動
管理職へ昇格とともに開発部門へ異動。仕事の内容が大きく変わり、まるで転職した気分。
12年目
13年目
つくば分析室に異動
燃料電池触媒の分析や有機分析を担当、TSA全体の業務状況把握も努めている。
14年目
BASF(UNION,US)へ出張
コロナウィルス拡散直前、出張することができて良かった。
15年目
既に市川研究所の閉鎖が決まっており、半年でつくばにお引越し。